突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

2014-01-01から1年間の記事一覧

沖縄の、怪しさ漂うモリマーリゾートホテル

那覇からroute58を40分ほど北上した読谷村にこのコンドミニアムがある。 66平米の部屋のすぐ下には人影のないビーチが広がっている。俺は、年末にほんの一時だけでも世間から離れて脱力したくなったのである。いつも休日には世間から隔絶した暮らしをしてい…

「絆」とか「つながってる」とかいう言葉について

俺は、ここ数年勢いを増す「絆」とか「つながっている」などの言葉に強い違和感を覚えていた。いや、正確に言うと、そうした言葉を嬉々として繁殖させ、絆やつながりが希薄な人を追い込んでいることがわからない奴ら、メディアの薄っぺらさに腹が立っている…

近場の紅葉

年々紅葉が好きになる。何故なのだろう。紅葉を愛でながら写真を撮っている多くは高齢者である。俺も仲間入りしつつあるのだろう。紅葉狩りという習慣は万葉集の時代にすでに記述されているという。広葉樹の種類の多さで稀有である日本列島ではたぶん縄文時…

高倉健が亡くなってしまった。

渥美清が亡くなった時と同じくらいの落胆なのである。(写真はyahoo画像より拝借) 俺はかつて映画をよく観ていたが特に日本映画をたくさん観ていたわけではない。しかし、小中学生の頃はテレビで日本映画をよくやっていてかなり観ていたと思う。昭和40年代…

50、60男はカメラと紅葉好き

スマホカメラに圧されてデジカメ業界の不振が続いている。小型軽量高品質を謳ったミラーレス一眼も欧米や中国では売れていないようである。一方、国内での購入者については50代60代は伸びている。業界団体の調べでは昨年の全購入者の半数以上は50代60代であ…

スポーツクラブは好きではない

俺はこの夏、田園都市線某駅近くのスポーツクラブに入会したのである。3年前にも入ったがすぐやめた。辛抱強くエアロバイクを続けたり、苦しみながらマシンに取り組んだりするのがとにかく苦痛だったのである。・・しかし、長年の不摂生と運動不足により筋肉…

仙台 秋保温泉

仕事で仙台を訪れた。タクシー運ちゃんによると一時の復興景気はすっかり収まってしまったのだという。一時は全国からキャバ嬢が集まってきて工事関係者相手に稼ぎまくっていたが、もうすっかりいなくなったのだという。俺は、キャバ嬢というのは全国を渡り…

奈良ホテル

鎌倉鶴岡八幡宮のご招待により、かつては関西の迎賓館の役割を果たしていた「奈良ホテル」に宿泊したのである。本館は明治42年建造というから105年前、辰野金吾という東京駅なども手掛けた名建築家の設計による。桃山御殿風檜造りと言うのだそうだ。 俺は、…

東大寺へ行く

10月9日19時過ぎから奈良東大寺大仏殿では鎌倉鶴岡八幡宮との合同による「東日本大震災物故者慰霊と被災地復興への祈り」が行われた。 仏教と神道という違いを超えての祈りは奈良鎌倉交互に行われて来て今回が5回目になる。東北が復興したと言えるまで続けて…

箱根湯本 萬翠楼福住

印象深い旅館だった。1625年創業の萬翠楼福住は箱根の旅館第一号。現在の建物は明治12年(1879年)のものと聞いた。 [ 重要文化財である。 書は伊藤博文による。 この15号室には西郷隆盛、福沢諭吉、木戸孝充、井上肇も訪れたという。 俺が母と娘とともに宿泊…

安曇野のインテリタクシー

信州・松本での仕事を終えて、北アルプス山麓の水の里、安曇野を訪れた。 つい先日、白壁と石の建物群に完全な太陽が反射して深い陰影を形作るスペイン・アンダルシア地方の磁場に体内成分の一部を入れ替えられた俺であるが、今度は日本の原風景のような安曇…

バルセロナ〜グラナダ その6

バルセロナ中心部。いくつか写真をアップする。 バルセロナの有名店コルドベス。この姉さんの顔は怖かった。微かな笑顔はこの一瞬だけである。この 目にはロマ族の数千年の悲しみと怒りが宿っている。怖い顔見たさに二晩通った。一日目は最前列となり、怖く…

バルセロナ〜グラナダ その5 「無為の街グラナダ」

アルハンブラ宮殿を2時前に出て、グラナダ市街へ向かった。タクシーで10分である。 [ 街の中心、ヌエバ広場周辺である。 グラナダでは完全な太陽が地上を支配している。日差しを受ければもちろん、日陰にいても建物の中にいても、太陽の存在を忘れることはな…

バルセロナ〜グラナダ その4 アンダルシアとアルハンブラ宮殿

バルセロナ空港を早朝7時半に出たブエリング航空機が9時前にグラナダに着陸する直前の景色である。朝6時前にバルセロナ空港に着いたのだが、格安航空ブエリングのカウンターはごった返しており危うく乗り遅れるところだった。往復2万円ちょっとで運んでくれ…

バルセロナ〜グラナダ その3 ガウディとダリ

1882年に着工されたサグラダファミリアは2026年の完成をめざしているという。 外尾悦郎という日本人が主任彫刻家なのだ。 始めてこれが視界に飛び込んできた時、意外と小さいのだな、と感じてしまった。こういう感じ方はやや残念なことである。たぶん、サグ…

バルセロナ〜グラナダ その2 旧市街と栄光の残影

バルセロナ空港からホテルに到着したのは朝10時頃だった。 ホテルヌーヴェルは街の中心、カタルーニャ広場からすぐの路地裏にある。三つ星クラス、19世紀の建物である。浅黒いアラブ顔のフロント女に「早いがチェックインできないの?」ときくと、とんで…

バルセロナ〜グラナダ その1 デブ白人の隣となった帰途のエコノミーで

スペイン・バルセロナ空港を飛び立った。まずシンガポールまで12時間以上、3時間くらい乗り継ぎ待ちで、さらに羽田までは7時間である。つまり直行便が飛んでないスペインには丸一日かかって往き来するわけである。 俺が乗るのは当然エコノミーであり、歳を食…

虎ノ門ヒルズの竹林

仕事で立ち寄ったのだが、またしてもつまらない高層ビルが建っていた。幹線道路がビルの地下を通るという新工法は凄いのだろうが、東京にはどうしてここまで面白味がないものが建ち続けるのだろう。例えばお決まりの竹の植え込み。金属やガラスとのコントラ…

田園都市線の真相

俺は東京・荻窪の生まれ育ちであるが、もう30年も田園都市線沿線に住んでいる。 鷺沼の桜並木は隣駅のたまプラーザまで続いている。この様な眺めが沿線を象徴しているのだろう。 俺はつい最近までこの沿線が好きではなかった。朝夕の電車の地獄のような混雑…

金沢、昭和40年代の食堂

俺は仕事で定期的に金沢、松本、大垣に行くことになった。 金沢兼六園の茶屋通りで見つけた食堂のディスプレーにしばらく見入っていた。カツ丼、カレー、焼き飯、天ぷらそば、ざる蕎麦、エビフライ...。これは昭和40年代前半の大衆食堂の定番メニューに近い…

加齢と植物

俺は56歳になったのである。少し前から部屋に植物を置くのがけっこう好きなのである。植物図鑑も数種類購入して寝る前に眺めたりもしている。男が植物に行くと次は陶芸に行き、さらには石に行ったりして、自分も無機物に近づいて行くのだろう。 植物というも…

ハロン湾と日本人バスツアー

「海の桂林」。あのハロン湾へはハノイからバスで4時間。俺は日帰りのバスツアーを申し込んだ。 世界自然遺産に登録されるハロン湾には大小3000の奇岩、島が散りばめられている。ツアーには約30人ほどが参加していた。3時間半ほどのクルーズには海鮮ベトナム…

ベトナム・ハノイ その2

「突然の旅人」を始めて3年半である。嬉しいことにユニークユーザーは1万人を超えた。最近は、偶然立ち寄られた読者の方からお褒めの言葉すらいただけるようになった。俺は読者コメントは載せない主義なので、コメントを寄せていただいた方にはここで御礼を…

ベトナム・ハノイ 、その1

俺の会社は日本のファッション情報や和食文化など、アジアの人々が興味を持ってくれる映像を中国や東南アジアのTVやネットで紹介し、国から予算を獲得したり、日本のスポンサーをつけたりする仕事をしている。だから重要なのは、アジア各国のメディアとパー…

松山の陽射しと瀬戸内の霞

瀬戸内、大島の漁港内で食った七輪で焼く海鮮バーベキューは美味かった。声がでかいバーベキュー店の親父は、あちこちのテーブルをチェックしながら「エビはそう焼くんじゃねぇよ。頭が網の真ん中だ」などと言って若い客を怖がらせていた。俺は以前、牡蠣に…

瀬戸内の残影

作家、五木寛之はかつて存在した定住所を持たない人々、「漂泊民」について何冊かで著述している。山の漂泊民はサンカ、海の漂泊民は家船(えぶね)と呼ばれていたのだそうだ。そして、家船の民の漂泊の主舞台であったのが瀬戸内海と九州西岸なのである。五木…

千葉 養老渓谷の気高き人々

千葉養老渓谷の老舗旅館「福水」の部屋から2月9日朝撮影。 関東地方に記録的な大雪が降った翌日、養老渓谷付近の雪道で車が前にも後ろにも動かなくなり、俺は苦難に満ちた一日を体験したのである。俺は2月8日土曜日から、80代も後半になる高齢の母と20代後半…

豆まき

すみません。極力顔は出さない方針なのですが今回は見て欲しくなったもので。 なぜ見て欲しくなったかと言うと、俺は何を着るよりこういうのがあっているのではないか、という驚きがあったからなのである。俺は以前、アルマーニのアウトレット店でスーツを買…

長崎 軍艦島

長崎の街は、「ランタンフェスティバル」という中華街の春節から始まったイベントの飾り付けにあふれていた。真冬なのに気温は20度、そして晴れているのに西隣の大迷惑国から飛来する物質により薄曇りに見える空なのである。東京で想像しているより迷惑度は…

墨田区鳩の街商店街

今回はスマホ写真である。ご容赦を。 まるで40年、いや50年近く前に見ていた商店街の風景なのである。ここは墨田区の東向島と向島の境目に位置する「鳩の街商店街」である。俺は中央線の荻窪の生まれ育ちであるが、隣接する阿佐ヶ谷や高円寺や西荻にはかつて…