突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

ベトナム・ハノイ その2

「突然の旅人」を始めて3年半である。嬉しいことにユニークユーザーは1万人を超えた。最近は、偶然立ち寄られた読者の方からお褒めの言葉すらいただけるようになった。俺は読者コメントは載せない主義なので、コメントを寄せていただいた方にはここで御礼を申し上げる。


ハノイは緑したたる街である。東京周辺には緑が少なく、電柱・電線とコンビニ、量販店の下品な看板が目立つ埃っぽい街が多い。そのようなエリアでは通行人の多くは不機嫌であり、少年少女の非行率、犯罪発生率が高いように思える。植物の緑には間違いなく鎮静効果がある。


朝、2時間クルマをチャーターして、ハノイから30分南の村、バチャンへ向かった。写真は、その沿道の平均的な住宅であり、中国風に洋風が混ざり合った独特の形である。勤め人の給料は日本の1割以下と聞いたが、住宅事情はどうなのだろう。東京郊外の無表情で画一的形状のマンションと比較して、デザインは個性的で楽しく、広々とした室内にハノイの人々は暮らしているようだ。
バチャン村は人口の9割が陶器作りに携わる、500年以上の歴史を持つ陶磁器の村なのである。

俺はこんな風にでかい陶器が玄関先に置かれて似合う家に住んでみたいが、難しいようではある。


バチャン村には良質の粘土があり、二度焼きの手間をかけるので「バチャン焼」は割れにくいのだという。16世紀始めには日本に輸出され始め、当時日本から注文された「トンボのデザイン」は今でもバチャン焼の定番絵柄となって残っている。

俺は小型のツボや花瓶を購入したが、店員相手に値切ったり質問したりしている間、この二人の女の子はずっと俺のそばにいた。そしてずっと頭の横で指をくるくる回していた。母親は近くでニコニコ眺めていた。俺はしゃがみこんで女の子に顔を近づけてみた。すると女の子は「クレージー」と声を揃えたのである。俺は嬉しくなり、変な顔や悪い顔を作って笑わせようとしたが、女の子はさらに「クレージー」を連発し、笑ってくれたのは母親と爺さんの方であった。

1日、バスツアーを申し込み、海の桂林と言われるハロン湾に向かった。片道4時間もかかるハロン湾であるが、途中30分のトイレ休憩で大型お土産物ショッピングセンターに立ち寄る。興味深かったのは、ベトナム人、日本人、欧米人が入る建物と、中国人、韓国人が入る建物が別であることだった。ガイドによると、声がでかい中国人、韓国人を欧米人と日本人が嫌がるからなのだそうだ。きっとベトナム人も嫌なのだろう。