突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

豆まき

すみません。極力顔は出さない方針なのですが今回は見て欲しくなったもので。

なぜ見て欲しくなったかと言うと、俺は何を着るよりこういうのがあっているのではないか、という驚きがあったからなのである。俺は以前、アルマーニのアウトレット店でスーツを買った時、裾詰めはもちろん、上着の袖や丈を大幅に詰めることとなり、店員に「もうアルマーニではなくなりました」と言われて激怒したことを書いた。あの記事はかなりの好評であったのだが、その好評に何かもやもやした気分ではあった。しかし、今回平安時代の下級の悪い公家のような様子を俺としては気に入っているのである。これをアルマーニが似合う美しい外人が着ても似合わない。やはり日本人は和装なのかもしれない。俺はかねがね男も女ももっと和装を日常に取り入れるべきだと思っている。
俺は訳あって鎌倉鶴岡八幡宮の節分祭で豆まきをやらせていただいたのである。舞殿に上がって同じ格好をした30人くらいの人と一緒に豆まきをした。舞殿の周りは、豆を取ろうと集まった多くの人でごった返していた。ほとんどは60代70代のおばちゃんたちであり、始まるとおばちゃんたちのおびただしい歓声が響き渡り、激しい争奪戦が展開された。舞殿で投げる方の人もご老人が多かったので俺はなるべく遠くに投げようとした。何回目かの投てきになり、俺はさらに遠投しようとしてやや助走をつけて思いっきり手を振り下ろした、その時である。豆は手の平に引っかかり、勢いよく直下にいた70歳くらいのおばちゃんの顔面を直撃したのである。「アイタタタ」。おばちゃんはカエルが潰されたようなダミ声を発した。俺は驚愕し立ち尽くした。しかし、俺は直後にさらなる驚愕に出会うことになったのである。おばちゃんは俺の袴を下から握りしめ、でかい巾着袋の口を大開きにしたのである。俺は大量の豆を巾着袋に投下したことは言うまでもない。
おばちゃんは家に帰って、大量の豆について、じいさんに何と説明したのだろうか。