突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

気がつくと夕日を撮ってしまうこの頃

最近は、個人的な旅から遠ざかっている。今、俺には必死に取り組むべきことがあり、ブログの更新頻度も落ちている。何人かはいると思いたい愛読者の方には、それほど期待していただいているわけではないとはいえ、申し訳ない思いである。前回更新以降、4月5月は仕事で松江、宮崎、長野、松本、大垣に行った。そんな各地をぼんやりと思い出してみる。

松江は緑が多くてこざっぱりした街である。しかし、人が少ない。駅前でも松江城小泉八雲の史跡周辺でも県庁の前でも繁華街でも…、人の連なりというものを見ることがない。午前10時過ぎに駅前の大通りに立った時、遥か彼方まで人がいないのが驚きであった。
地元の会社の社長さんに夕飯を奢ってもらった後、入りたいと言うので寂しげなクラブに入ったが、5〜6人のホステスはみんな地元の娘で二人は島根大学卒だった。俺の娘より若い無口なホステスには参ったが、感じが悪いわけではなくただただつまらないのであった。生まれてからずっと人影まばらな松江にいて、急にホステスやっても面白くなりようがないのである。

宮崎のシェラトン・オーシャンリゾートの部屋から眺めた日の出である。ゴルフをやるので早起きした。自分の金では多分使わないだろうこのリゾートホテルにも中国人の大群が押し寄せて感じを悪くしていた。地元の人から聞いたが、中国人宿泊客は部屋からなんでも持って行ってしまうが、テレビまでなくなってしまうのだという。それでシェラトンはテレビを壁に固定することにしたのだそうである。
中国は、南シナ海を勝手に自分の海と主張して巨大な埋めたて軍艦島を作っている。尖閣どころか、沖縄の分断さえ狙っている。テレビ泥棒から話は飛躍してしまうが、要するにそういう奴らなのである。最近は、中国主導で設立されるAIIBアジアインフラ投資銀行の動きに対して、日本は遅れをとった、などと主張するバカ評論家やバカ学者が目に付く。中国は世界から狡猾に金を集めてアジア周辺国に覇権を拡大しようという二重の悪巧みを持っていることは明らかなのに、のこのこ参加して力を貸してどうするんや!! 日本は世界開発銀行の大出資国やないか! アホんだらが!

上高地日本アルプスへ向かうのだろう薄汚い白人観光客が目立つ松本駅からタクシーで20分ほど走ると浅間温泉郷に到着する。「こやなぎ」という旅館が素晴らしい。80平米はある和洋室を独占して、部屋出しの絶品朝飯を食って2万は取られない。平日はすいているので大風呂で平泳ぎもできる。中国人は来ない。安曇野越しに観る北アルプスのシルエットに胸が苦しくなった。

湧水の都、岐阜の大垣駅前には昭和30年代風の懐かしい定食屋がある。

この「焼きそば定食」は驚きであった。ソース焼きそばをメインに冷奴と何かが載ったご飯と味噌汁がつく定食を見るのは始めてであった。長年やっているこの定食屋にあって、焼きそば定食はいまだ生き残っているのだから、大垣には俺とは味覚が異なる人々が一定数いるのだろう。

大垣駅前にはもう一軒、昭和レトロないい感じの和菓子店がある。名物は水の都らしく「水まんじゅう」である。俺は地元の友人と、6月はじめの30度を超えた日に水まんじゅうと冷たい緑茶に癒された。昭和初期が匂う木造家屋と、やはり昔どこかで見てきた店員のおねえさんのけなげで素朴な振る舞いにも癒された。当時の俺は、そんなおねえさんよりも年下で、小学生か中学生だった。

俺はいま、グァム島への出張帰りのユナイテッド機内で、雲海へ沈む夕日を眺めている。
やや言い方は極端かもしれないが、日本人客が観光収入の9割近くを占めるという例えばグァムよりも、日本の地方都市の方に東京との大きな違い、ギャップを俺は感じている。地方には東京とは異なる時代の空気が流れている。何時の間にか、そんなに違ってしまったのである。