突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

オシアナス


カシオの電波ソーラー「オシアナス」である。多くの男がそうであるように俺も時計好きである。飲んで時計談義をするようなマニアではなく、形と雰囲気だけで衝動買いする。オメガとタグホイヤーエルメスとグッチとSEIKOに続いてのカシオ・オシアナスである。二重扉で監視カメラを備えた台湾の闇販売店で買ったニセのフランクミューラーは大学生の息子が持って行った。(ニセモノを買うのはいけないことなのでやめましょう。)
オシアナスは美しい。多分、俺の時計の中で最も美しい。反射を抑えたサファイアガラスにより、文字盤は立体感を持ち、ブルーメタリックの塗装は見る角度により藍色にも海色にも空色にも変化する。秒針の位置を見て欲しい。限りなく真上を指しているように感じられる。時刻を示す各パーツは限りなく正確に30度間隔で配置されているように見える。目をやった時の爽快感はそれによるものだ。
俺は山形カシオの工場の無菌室で白衣を着た熟練工が顕微鏡を覗きながらピンセットでオシアナスの仕上げをしているのを見た。完全に近いと感じさせる形状はロボットではなく人間の手作業がもたらすものらしい。