突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

沖縄について5


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沖縄は買い物が楽しいところである。那覇国際通りにはシルバーアクセサリーの優良店が多い。(そうでない店もある)沖縄三越近くの「アルバトロス」にはよく行って、店の兄さんとは馴染みである。那覇から車で30分ほどの豊崎にある「あしびなーアウトレット」もよい。アルマーニやゼニアなど、銀座店の敷居は極めて高いが、沖縄アウトレット店は全く別物である。御殿場にもアウトレット店があるが、売り物の豊富さで沖縄の圧勝である。そして、写真のように客はまばらで、ゆっくりと買い物ができるのがよい。 3年間で俺の多くのネクタイとシャツはアルマーニとなり、ベルトや財布はグッチとなり、ゼニアのジャケットに手を出すまでに至った。結局俺は調子に乗り、無駄に散財した。沖縄がもたらす躁状態も手伝った。
俺は以前、御殿場のアルマーニストアで夏のスーツを購入した。腹と胸のサイズの関係で、身長166センチなのに本来180センチの人が着るサイズに決めた。パンツの裾は30センチくらい、ジャケットの丈は5センチくらい、腕も5センチくらい詰めようとしている店員のスカしたおっさんに、「なんかもったいないね」と言ってみた。その時、おっさんから出た言葉に俺はシビれた。「もうアルマーニとは言えないデザインになりましたがどうします?」…とっさに低い声で「いいから作れよ」と答えたと思う。おっさんは眼が覚めたように明るく背筋をのばして「はい。………」と言った。……の部分は覚えていない。
沖縄の店員さんは男も女も決して嫌なことは言わない。「お似合いですね~。いいかんじですね~。かっこいいですね~。」と明るく人懐っこく言ってくれる。多くはセールストークとわかっていても、ついその気になるのが人情というものである。