突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

三内丸山遺跡






東北出張のついでに立ち寄った青森市郊外の「三内丸山遺跡」は、5500~4000年前の縄文集落遺跡である。青森市街から南へクルマで30分ほど走るが、5000年前は今より温暖で海面が高く、海辺の集落であったらしい。・・要するに1500年もの間、同じような生活、社会が続いたことになる。さらに言えば、縄文時代は16500年前から3000年前までの1万3500年間という気が遠くなるような長さであり、その間、社会は驚くべきことに、大きくは変容しなかったのである。技術というものは「自己増殖」するのだそうだ。いったん進み出すと加速する。相応の技術がなければ、自己増殖はなかなか起こらず、社会や生活は1万年以上もの間変わらない。いまでもアフリカやアマゾン奥地には縄文初期同様の狩猟採集の暮らしを続ける人々が存在する。
写真、2、3は当時の民家を再現したものである。内部は4畳半ほどの土間であるが、お父さんお母さんと子供という家族単位など存在しなかった時代に、これが狭いのかどうかはわからない。三内丸山遺跡が凄いのは、写真1のようにレプリカではない本物の出土品が5000年の時間を経て、なおも謎めいて我々に何かを語りかけてくれるところである。しかし、写真5の観光のおっさんのように、我々の体型は5000年前から何も進化していない。レストランで出会う人々は縄文人顏に近づいた老人ばかりである。