突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

上越新幹線で大ゲンカとなる。

朝8時過ぎの上越新幹線に乗って新潟へ向かった。前日から「数年ぶりの大寒波到来・・日本海側は大雪・・不要不急の外出は控えてください・・」などとテレビでやっていたので、「やばい日にやばいところへ行くんだな」と思いながらユニクロヒートテックのタイツまで不恰好に装着し出かけたのである。

群馬側からの長いトンネルを抜けると雪国となったが、曇天ながらまったく雪は降っていない。

米どころの南魚沼あたりから青空がのぞき始め、新潟に降りると東京の朝よりも風がない分、寒さを感じなかった。

最近テレビの天気予報がどんどん大げさになってきているような気がする。もちろん集中的に豪雪となったところもあるのだろうが、日本海側全般的なニュアンスで「不要不急の外出は控えてください」は言い過ぎだろう。大げさなうえに事細かに脅威を煽るいろんな解説をしたりして暗い気分にさせる天気予報が多い。昨年9月には、向こう10日間がすべて雨の予報になっていて気が滅入ったが、半分は雨ではなかった。台風が強大化したり竜巻やゲリラ豪雨などが増えたことや、被害が出たときに「なんで予報しないんだ!」という怒りがネットにより蔓延する時代になったので悪いほう悪いほうへと伝えておこうという逃げもあるのかもしれない。さらには気象予報士たちが出番を確保したり広げたりするために自己顕示しようとしていてそれに付き合わされているような気もする。これらは経済活動にマイナスとなる社会悪とも言えるだろう。

……、前置きが長くなったが、新年早々、大柄で態度がでかい50代後半の人相の悪い男と帰りの上越新幹線で大ゲンカとなったのである。
俺は窓側の席で上毛高原あたりから寝込んでいた。そいつは高崎から乗ってきた。俺の前の席に座った途端、シートの背もたれをマックス近くまで乱暴に倒し俺の膝が圧迫されてつっかえると舌打ちをしてさらにぐいぐい押し倒したのである。車両はすいていたので俺も一発舌打ちを聞かせてから通路を挟んだシートに移動したが、そいつは俺を睨んで威嚇を続けたのである。
「何見てんだこの野郎!てめーみたいに倒してるやつはいねえんだこら!文句言いてえのはこっちのほうなんだよう!」
「なんだとこの野郎!俺にケンカ売る気か!くそやろう!生意気なんだてめーは!」
「馬鹿野郎!生意気というのは目上の人間が使う言葉だ!てめーがほざくセリフじゃねえんだこら!!」
「おめーふざけんじゃねーぞ!ただじゃすまねーぞ!!くそじじいがっ!!」
「おめーのほうがじじいだろうがっ!よく見て言えや!シート倒してよろしいですか、とか言ってみろや!」
5分ほど怒鳴りあっている間中、他の乗客は下を向いていた。
その後、お互いに見ないようにして30分ほどが経過し、大宮を過ぎたあたりで俺は8列くらい後ろに座っていた会社の同行者の隣に移動して雑談した。彼は俺より2つ年下で育ちの良い上品な顔立ちのお公家さん的細身男である。東京に差し掛かり俺は彼と並んでコートを着たり荷物を棚から降ろしたりし始めたが、10メートル前で野郎がこっちを見て睨みつけていた。さっきは30分も黙りあったはずなのに再び凶暴な眼光で威嚇し何やらほざき散らしていた。
「うるせーぞばか!」
を浴びせてホームへ降りると野郎は待っていて50センチを切った至近距離での怒鳴りあいとなった。
野郎の手が俺にかかる直前にお公家が身を挺して間に割って入り掴み合いを全力で防いでくれた。その後俺はホームの喫煙ルームでたばこを吸っていたが、野郎はまた舞い戻ってきてお公家の必死の説得にあい、去って行った。
もし取っ組み合いになりまともにやれば俺は180センチ100キロの半やくざ風男にぼこぼこにされていただろう。
俺は勇気を振り絞って防いでくれた細身公家に感謝すべきはもちろんなのであるが、なぜ高崎から大宮まで通路を挟んで隣り合わせで30分も我慢し黙りあっていたのに東京手前で急に力を盛り返して再びケンカを売ってきたのか・・・・・。
くだらん話ですみません。

俺は今年59になる。