突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

突然ブダペストへ 4

ブダペスト中央市場は俺のかなり好きな場所だった。

写真を撮っていたら「私を撮っていいですよ」と言って近ずいて来てくれた。近くのレストランの宣伝チラシを配っているところだった。ブダペストで見かけた唯一の「気さくな人」は185センチはある彼女だった。

1階は精肉、加工肉、野菜、果物、飲料、乳製品など食品中心の巨大なマーケット、2階は衣類、革、名産のカロチャ刺繍や食器などの工芸品の店がびっしりと並んでいる。


出ている値段は基本的に1キロ単位である。ハンガリーフォリント額の40%が日本円。だから、ピーマンの仲間である赤や黄色や緑のパブリカは1キロで150円とか200円である。ピーマン1キロといえば相当な量だろう。


豚のロースブロック肉は1キロで400円!ステーキ用厚切り牛肉1キロで600円!!!
何なんだ!この安さは!
東京ではこの5倍はするぞ!
・・・そういえば、路面電車でも誰も金を払っていなかったし、1週間電車バス乗り放題のチケットがたった2000円だったし、それから電車で30分も郊外に行けばみんなこんな家に住んでいるし・・・・・・

年収平均120万円と言ったって、我々とどっちが豊かなのだろうか。建物は多少ボロくてもどの家にも庭があるではないか!
羨ましい。
こんな庭があればバラ園だって作れるし、池を作って鯉を飼えるし、ゴルフのショートホールだって作れてしまう。でかいパラソルの下で朝飯を食うこともできる。庭でキャンプもできる。俺なら暇な休みの日はずっと庭で遊ぶだろう。
ハンガリー人は外国で金を使うのは苦しいだろうが、ハンガリーにいる分には十分生活を楽しめるのかもしれない。

電車で1時間行けばこんな平原となる。遥かなたまで続く菜の花の向こうの森に住宅が点在している。

ブダペストのあちこちに立派な温泉施設がある。湯温は38度でややぬるめということだ。

パリやローマはもちろん素晴らしい街だが、ブダペストは美しさの中にあまりに荘厳で圧倒的な威圧がなく、ドナウが街の中央を貫くことによって解放感をもたらし、歩いていて疲れを感じない。ホテルやレストランや交通関係はロンドンやパリのおそらく30%くらいの料金。ゆったり滞在して、路面電車に揺られて日がな散策してみたい街である。