突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

賑わう熱海と暗い婆さん女中


最近、熱海に客が増えているという。写真は駅前のロータリーに設けられた足湯コーナー周辺、3月初めの土曜日夕方である。これほど人が集まる熱海はバブル崩壊以降なかったのではないか。ここ数年、熱海は何度かテレビドラマのロケ地となり、その影響で客足が伸びてきた、とも言われている。
東京からこだまで45分。駅を出た途端に昭和の風が吹く温泉街の景観と緊張感から解放された行き交う人々のゆるい雰囲気に包まれる。それでいて言うまでもなく熱海は大きな観光都市であり、老若男女の昼のお楽しみ、夜のお楽しみ、なんでも揃っていて東京から45分なのに温泉に浴衣で羽目を外して笑い合いたくなる、そんな愉快な街の価値をみんなが思い出した、ということなのかもしれない。

去年の湯河原・大野屋に続いて今年の社員旅行は熱海・小嵐亭に30名で宿泊した。写真はヤフートラベルから拝借した。大野屋は朝っぱらから年配の女中どおしが罵り合い番頭は知らない顔をしている最低の宿であったが、小嵐亭の女中もひどかった。小嵐亭は熱海でも最高ランクの宿とのことであり、料金も高かったが、去年のようなことは避けたかったので決めたのである。玄関周辺や中庭の風情は素晴らしく料理も一級であったが、女中は最低であった。温泉旅館はどこも女中不足ということで婆さんがやっているのは仕方ないことであるが、その仏頂面と人を小馬鹿にした態度、さらには若い客の宴会芸(下品な振る舞いなどしていない)に対して露骨に呆れ顔をしたり睨みつけていたりするわきまえのなさは社員旅行でなければ怒鳴りつけていたであろう。大広間での宴会で30代の社員が「シェー」を連発した時の怒りの目付き、料理をまだ食っているのにカサカサした態度でさっさと片付けようとする悪態・・・。チェックイン直後の部屋をガタガタノックして俺が中から鍵を開けようとしているのにドアノブをガチャガチャやったりするわ、入って来て館内の説明をするのはいいが、俺が別のことに気を取られて聞いていられないのにどんどん喋るわ、チップをやっても「フンッ」というツラをして心ない礼を低い声で言うわ・・・。カラオケルームで盛り上がっている時のカラオケ部屋担当のミニスカ年増女の能面のような冷たいツラ・・・。
高いカネ払って機嫌よく遊びに来ているのに、気分をぶち壊しにしやがってふざけんな馬鹿野郎!
こういう婆さんどもは一体どこから湧いてくるのだろうか。イヤだ、と言っているのに無理やり働かされているわけではないのだろうが。旅館の下働きというのは薄給で辛いことが多いのだろうが、こういう女中どもに共通しているのは、自分の日常の苦しさや不平不満、「こんな歳になってまでこんな仕事をしていて悪かったわね」というイライラした思いを態度で客に向けることである。
明るさが戻りつつあるという熱海にあって、女中の若返りは大きなテーマである。