突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

北陸新幹線で金沢へ


東京の次は大宮で停車するが、次は長野まで止まらない。長野の次は富山であり、そして終点の金沢となる。長野を出て長いトンネルを超えると早春の北陸路の風景が一気に開けて眼が洗われる。
話題の「グランクラス」を覗いてみたが、冴えない感じの小さいハゲおやじが一人でキャビンアテンダントの接遇を受けていた。

仕事までの時間、また兼六園へ行ってみた。3月半ばを過ぎ、すでに新緑の兆しを感じさせる、桜の前のこの時期というのも良いものである。

広大な日本庭園の中の梅林が見頃であった。

しかしここでも例によって黄砂とともに大陸からやって来た声のでかい集団が一番のビューポイントや気持ちの良い場所を占拠していた。

帰路の小松空港へ向かうリムジンバスの中では、ミャウミャウピャウピャウ、ガハハガハハ・・・張り倒したくなるような携帯電話男もいた。静まり返った車内で10分以上もこれを続けられる奴らの神経には驚愕するばかりである。

最近、なぜ日本は世界一人気が高いのか、とか、ドイツに住んで見たら8勝2負で日本の勝ち、などという日本人が日本を褒めちぎる本が流行っている。失われた20年を経て4年前には大震災の惨禍にあい、もう一度日本人の美徳や高い能力を見つめ直して前に進もうという機運なのだろう。今我々にはある程度はそのようなプロセスが必要なのかもしれないとも思う。
しかしである。今回は日帰りの道中で大陸人にも負けないほどマナーや態度が悪い日本の奴らを何人も目撃したのである。行きの新幹線には金沢へ向かう熟年夫婦の姿が目立ったが、70位のおばさんが車内販売の兄さんにからみ続けて通路の通行を塞いでいた。また、70位のおっさんは同じ兄さんに「何で大宮すぎてから何のアナウンスもないんだ! 高崎を過ぎましたとか、碓氷トンネルを通過中ですとか、この川はなんですとか、アナウンスしろや! サービスが悪いぞ!」と脅かし続けていた。俺は、何もアナウンスがない静かな車内が気に入っていたのに、おっさんはぶち壊しにしてくれた。これまで会社でへーコラ生きてきたくせに、ヒマになった途端に威張れる所ではここぞとばかりに威張り散らす年配者には困ったものである。それから、帰りに羽田空港からたまプラーザに向かうバスに乗った時、すでに乗ってきていた奴らの何人もが、窓際に座ってとなり座席のてめーの荷物をどかさず、俺は最後部まで行ってまた引き返して席を探す羽目になった。その6人くらいの奴らは大体40歳前後であり男も女もいた。奴らは、後から乗って来た客には気がつかないふりをしてスマホをいじったりしているのである。俺は、おめーは二倍の金を払ったのか、と言いたいのをこらえて「ここいいですか」と言って座ったが、返事もしない。俺だったら、よほどのデブか悪臭を放つやつでもない限り「あっ、どうぞどうぞ」と言う。バス降車時にも、疲れた60過ぎの運ちゃんが一人一人に「ありがとうございました」と言っているのに、どいつもこいつも会釈もせずにおりていく。「どうも」くらい言えねーのかばかやろう。
俺は、中国人とは性質の違う、より陰湿な態度の悪さを時々感じている。

金沢の郷土物産館で購入した九谷焼を眺めながら酒でも飲んでもう寝ます。