突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

痛くて尾籠な話

とにかく左のケツが痛いのである。久々の更新には写真はない。関連する写真があるが、そいつをアップしたら俺は変態として社会から抹殺されるだろう。
今回は相当尾籠な長話になるが、このようなことをしっかり記述しておくことにも意味があると思うのである。(ないかも)
俺は五日前に痔ろうの手術をしたのである。空気が入ったドーナツ型のクッションに座っているが、立ち上がる時に激痛が走る。その度に叫び声を上げている。
俺は27〜8年前、27〜8歳の頃から痔ろうだったようなのだ。つまりこれまでの人生の半分は痔ろうである。その頃から毎年決まって夏が近づくと左ケツの中央やや内側が腫れてくる。腫れはどんどん大きくなり激痛となり発熱さえする。そして、10日ほど苦しみぬき腫れが直径10cmにも達したころ血膿が噴出して快方へ向かうのだ。何回かはなかなか血膿が出ず、自分でカミソリを持ち、呻きながら風呂場で切開したこともあった。血膿と同時になんだかわからない筋みたいなやつが出て来て、へその緒を切るように絶叫しながら引きちぎったこともあった。しかし、何をしても噴出口は閉じることなく存在し続ける。だから、その頃から、これは只者ではないな、と感じてはいた。そして月日は流れて5年ほど前のこと。同じような腫れが今度はケツの穴により近づいて発生したのである。発生し血膿が噴出したあと同じように噴出口が残った。そして、驚くべきことに二つの噴出口は皮膚の下で細い管で結ばれたのである。
なっなんだこれは!!
俺は玉川にある総合病院へ行ってみたが、医者は患部を見て驚き、「これは本当に難しい手術になります。術後は10日間はうつ伏せのままです。うちではとてもできません。決心ができたら専門の病院へ行ってください」といっていた。やつも専門医のはずであったが・・・場所が場所だけに一つ間違えると大変な二時災害をもたらしかねないヤバさがあるのだな、と理解はできた。
そして最近俺はネットを見ていて、これが痔ろうに間違えないこと、30年近くも放置しているのだから病巣は相当に複雑化しているであろうこと、ガンになる可能性があること、普通は2〜3週間も入院となるが、日帰り手術をやっている病院もあることを知った。
日帰り手術!!!!
俺は何日か会社を休むことを決心し、まず、ネットで盛んに日帰り手術を宣伝している新横浜の「城クリニック」を訪ねた。ろくに座れもしない人でごった返した待合室で散々待たされた挙句に、50位の担当医は「これはうちじゃ出来ないよ。大きな病院で入院手術だね。紹介するかどうかはもう少し様子を見てからだな。」とぶっきらぼうに言い放って今後の治療の説明もせず5分でいなくなった。「痔ろうでもほとんど全て日帰り手術が可能」と宣伝しているじゃないか! 何だ子供にいうような威張った口のきき方は! 毎日人のケツの穴ばかり見ていて機嫌も悪いのだろうがてめえはプロだろうが! 看護婦も含めて本当に人をバカにした気分の悪いクリニックであった。病院評価サイトにもたくさん書き込んでやった。ざまあみろ。文句があったら言ってこい。
俺はそこからタクシーを飛ばし「ららぽーと横浜クリニック」へ向かった。ここも日帰り手術をやっていることを知っていた。その日は診察、血液検査、レントゲン検査があり、数日後に大腸内視鏡検査が行われて五日前の手術に至ったわけである。内視鏡検査では大腸ポリープが見つかりその場で切除した。放っておくと七割はがん化するということで、俺は強運である。
手術は10分程度という予想であったが、やはり病巣の複雑さから30分以上はかかったようである。部分麻酔で始まったが途中から痛みだし「ゲロを吐きそうだ」と訴えると、院長の「今すぐ救いますよ」という言葉が聞こえ、気がつくと終了して静かに寝かされていた。その日はそれほどの痛みもなくタクシーで帰宅した。こういう時に限ってしつこく道順を確認する運ちゃんにでっくわす。「俺は手術でケツが痛えんだから静かにナビの通り行けよ」と怒ったり・・痛みは人間を狭量にする。
ららぽーと横浜クリニックは院長始め看護婦さんも事務の人もみんな丁寧で感じがよい。城クリニックとは大違いである。
それから自宅静養が始まった。2日間は傷口からかなり大量の水が出た。2時間に一回は自分でガーゼを取り替える。数種類の薬を飲み麻酔剤を塗る。入院して看護婦にやってもらうことを全て自分でやらなくてはならない。
「そう言えば手術の傷はどんな状態なのだろうか」俺はスマホを取りパンツを脱いでシャッターを押した。映し出されたものを見た時の驚愕は筆舌に尽くし難い。左ケツの12cm×5cmの範囲が2〜3cmの深さでえぐり取られて陥没しているのだ。縫われることなく朱色の肉がさらされている。ケツの穴まであと1cmのところまで陥没が迫っているではないか! 一つ間違えばケツの穴がだめになるところではないか! 人工肛門になったらどうするんだ! それからあっちの方だって・・・・・。これは大手術である!! 若い娘だったらうつ病になるだろう。
それから痛みがひどくなって来て時々大声を上げているのである。見たのが良くなかった。俺は痛いはずなんだ、という認識が痛みを呼んでいる。
読者のアナタ、ここまで何の益なしの話に付き合ってくれて感謝します。そろそろ叫びながらガーゼを取り替えにかかります。