突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

ホーチミン3


ベトナム旅行を終えて2日経ったが、腹が痛いのである。みぞおちのあたりがが差し込むように痛い。どうやらメコンデルタの中州、トイソン島で食ったり飲んだりしたものにやられたようである。
メコン川チベット南部を水源とし、中国雲南省ミャンマーラオス〜タイ〜カンボジアを経てベトナムの河口域に至る大河である。母なる大河は4000キロを超える流域に実りをもたらしながら、途中どのようなものが川に流れ込み投棄されて河口域の広大な湿地帯、メコンデルタに至るのだろうか。透明度ゼロの茶色く濁った巨大な水流に囲まれたトイソン島には毎日雨が降り、時折り熱帯の太陽が照りつける。島では、水牛、馬、犬、鶏などが放し飼いであり、茶色の水流が毛細血管のように入り込んでいる。蚊に刺されると、マラリヤデング熱の危険があり、裸足で歩くと破傷風がやばい。鳥インフルエンザウイルスの故郷という説もある。デルタ地帯に稲作やフルーツの莫大な恵みをもたらす茶色の水流には、無数のメコン住血吸虫が泳ぎ、肝炎ウイルス、赤痢チフスコレラ菌が潜んでいる。メコン川では、いまだに年間100種類以上の新生物が発見されている。温暖化で未知の悪性新生物が勢いを増して行くという話もある。要するに、トイソン島は免疫力がない日本人にはかなりやばい島なのだ。
俺はこういう話をしているとなぜかワクワクしてくる。トイソン島に蠱惑さえ感じる俺はやはり異常なのだろう。

トイソン島で土産物を売ったり料理をしたり飲み物を出したりして観光客の相手をしてくれるのは全て女である。男は漁に出たり、家畜の世話をするが多くは怠けている。


この蛇はアナコンダである。昔、人間がアナコンダに次々と食われてしまうB級映画があった。アナコンダの子供は女になついていた。このあと、突然女は俺にアナコンダを巻き付けたのである。


俺は昼飯にこの不気味な魚を食った。エレファントイヤーという。焼かれたこいつの腸には無数の寄生虫の死骸がいる。多分俺はここで食ったフルーツにやられた。包丁で切ったフルーツがやばいのだ。腹が痛いので今日はここまで。