突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

バリへ2

バリ島ウブド周辺の様子を見ていただくことにする。

アタ製品は日本でも人気である。トパティ村のこの製造&販売店には一日何度も観光バスが到着する。俺はアタを作る過程を見せてもらったが、アタの茎の太さを一本一本手で合わせて行くことから作業は始まり、天日で乾燥させてから縫い込んで行く。そしてできたものは時間をかけて燻してツヤをつけていく。すべて手作業である。本物には飴色のツヤがあり、それが安物との違いなのだそうだ。俺は観光バスのおばさんたちが到着しないうちにゴミ箱を3つ買い込んだ。日本では見たことがない質感があり値段は半分である。

バトゥアン村は絵画と舞踊の芸術村である。こうして若いアーティストが一日がかりで描いた田園風景を俺は3500円で買った。6000円から値切ったのだ。これでいいのかとも思うが売れないよりはいいだろう。

バリは高級木材であるチークやマホガニーの産地なのだ。この高級料理屋にあるような大型テーブル用のチーク一枚板は日本では50万はするだろう。ここでは5万円である。俺はチークの肘掛椅子を1万で買った。しかし置くところがない。とにかく買わなければいけないと思ったのである。

チュルッ村の銀製品工房のサリーちゃんである。俺は5万円の極太ブレスレットを2万円まで値切って購入した。日本では確実に10万を超える。俺は銀好きなのでわかるのだ。サリーちゃんは困った顔で何度も社長に電話をかけていた。しかしその後、つけていると重みで肩が凝ってくることに気がついた。


ウブドには素晴らしい外観内装で静かに飯を食えるいいレストランが多い。スタッフのサービスも良く味も悪くない。写真上の「ボレロ」ではでかいテーブルとソファを占拠し、ハイネケン2本とナシチャンプルー、トムヤンクンで1300円だった。「カフェ ロータス」はすべてテラス席で、ハスが浮かぶ大きな池越しに妖しく輝く壮大なヒンドゥー寺院を眺めながら食事ができる。あまりの眺めの素晴らしさに二晩通ったが、写真は暗くてダメだった。
二晩目に店にはいる時、日本人の女に声をかけられた。「日本人ですか。ここ放ったらかしにされますよ。あまり美味しくもないし。」30代後半の女で一緒の男は黙っていた。…いかにも旅慣れた風なうるせえ言い方である。俺はバリ語で「トゥリマカシ(ありがとう)」と言ってやった。

ウブドには日本人が少なかった。ガイドのワスパは、日本人は減っているが、逆に昔はいなかった悪い日本人は増えていると言っていた。観光の当日キャンセルで、キャンセル料がかかると言ったのに、後から聞いてないと旅行会社にクレームを入れキャンセル料を返せと言ってくる日本人。おごるから夕食を一緒に食べようと言ってくれたのに、後から旅行会社にガイドが食事代を払わなかったと言ってくる日本人。
俺はワスパに言った。「そいつらは多分日本にいる中国人だろう。」