突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

文句の多い紅葉狩り男

大阪で仕事をしたついでに京都の紅葉を観に行った。嵐山の常寂光寺と周辺エリアは素晴らしいの一言。(写真)春のサクラは気分を暗くさせることがあるが、紅葉にはいつも癒される。花見で騒いだりトラブルを起こす人間はいても、紅葉を観て騒いだりケンカをした人の話は聞いたことがない。嵐山はすごい混雑で大渋滞であったが、人の波はやはり紅葉の鎮静効果に包まれていた。
ところで、京都と大阪で、レンタカードライバーとしてどうにも釈然としないことがあった。
俺は常寂光寺の後、鞍馬寺清水寺に行った。当然大混雑であり、やっとのことでコインパーキングに入れ、ともに1時間程度駐車した。そしてその時、支払い機のカウンターに示された額はともに2000円だったのである。1時間で2000円。これは世界一駐車料金が高いNYマンハッタンど真ん中と同じである。京都の北山山中に佇む鞍馬寺の前…冬になれば人影もまばらであろうその駐車場には料金が明示されていなかった。…これはヤクザがやっているパーキングなのかもしれない。
俺は大阪御堂筋ですこし車を止め一面の黄色に色ずく銀杏並木を撮影していた。車に戻るとフロントガラスに黄色い紙が貼られていた。確かに俺は違法駐車をした。しかし、数枚の撮影の間にいきなり貼られたことは驚きであった。俺は大阪の警察署に向かい「お前ら取りやすいところから取って仕事した気になってんじゃねえぞ。数分間だぞ。もっと迷惑かけてる奴らがいっぱいいるだろうが。そっちからやれや。だからお前らは嫌われる。こんな仕事が楽しいか。」…と言ってやろうと思った。過去3回同じことを言ったことがある。捕まった人間が腹いせに言いがちなことではあるが、俺はこういうことをきちんと言う人間も世の中には必要であると思っている。…怖そうな警官なら言わないが。…俺は警察署に着き、まず警官に銀杏並木の写真を見せた。いかにあっと言う間にやられたかをわからせるためである。30代前半の演歌歌手ふうの警官は言った。「きれいですね。お仕事で撮影ですか」…俺は一気に力が抜け、「いや、趣味です」と答えた。その後は黙り、去り際には「どうもお世話様です」などとも言っていた。ヤツは俺という人間を読んでいた。大阪の演歌顔警察官恐るべし。