突然の旅人

大した話でもない黒坂修のアホ旅日記

西安の回族街 ~ イスラムの東端

今回の3枚は、今年5月の中国 ・西安回族街。回族とは人種的にはほぼ漢族でありながら、祖先にアラブの血を引くとも言われ、イスラム教徒として中国各地にコミュニティを形成する人々のこと。西安は言わずと知れたシルクロードの東側の始まり。羊の串焼き、シシカバブを焼く風景はここからはるか中東まで続いて行くことになる。
少年が兄弟で焼いていたのは午後10時。回族街ではこれから通りにテーブルを出して店の家族と仲間が集まっての食事の時間が始まる。
漢族の24歳の女性ガイドによると、回族モンゴル族チベット族の子供たちは学校へも満足に行かず、悪いことをする少年も多いとか。だから漢族が少数民族と付き合ったり、ましてや結婚するようなことはないと言っていた。
俺は中国を旅するたびに、漢族の観光関係者に不愉快や怒りを覚えることが多い。そして必ず、旅行中一回は激しく怒鳴りつけることになる。
西安に向かう途中、上海で中国国内機に乗り替える。にこりともしない生意気な空港職員の若い女に、多くはお年寄りの日本人観光客たちは命令されたりアゴで指図されたりして次のゲートまで辿り着く。すかっり意気消沈しそうなお年寄りを励ましたりするうち、約束の時間になっても一向にゲートは開かない。航空会社スタッフに「どうしたんだ」と訊くと「1時間以上は遅れるだろう」などと平然と答える。時刻は午後9時を回っている。だったら事情と見通しを皆さんに説明しなさいよ」と言うと知らない顔をしようとする。その瞬間、俺は怒鳴りつける。そうすると嫌々アナウンスする。結局、10時半に搭乗となったが、ゲートでチケットを扱う女性スタッフは、仕事が遅くなって不愉快そうに仏頂面で客を通し、飛行機が遅れたことに対する詫びの態度などみじんもない。機内に入るときに、客を無視して私語で笑い合っているcaを見てまた怒鳴りつける。「お前ら遅れてすみませんと言って客を迎えろ!! いますぐ言え!!」…中国人搭乗客たちは、ヤバイ日本人だから見ないようにしようという感じでみんな下を向いている。西安到着は午前1時すぎ。
西安中心部の三ッ星ホテルでは、5日の滞在中、3回の不愉快があった。俺は90年代後半以降、香港マカオを除き15回中国を訪れたが、五つ星以外のホテルではまず間違いなく不愉快な思いをし、ロビーで大きい声をあげてきた。俺は特殊な旅行者ではない。なぜなら、中国以外の国で大声をあげた経験が俺にはない。
西安のホテルでは、夜10時にフロントの若い女4人のうち2人がカウンターに頭を乗せて寝ていた。両替を頼むといきなり1万円札を偽札ではないかと言われた。翌朝、レストランに食事にいくと、朝食券を見せているのに朝食付きではないとウエイトレスが言い張った。結局ウエイトレスの間違いだったが不貞腐れていた。夜10時にフロントで「ビールを買いたいがどこにいけばよいか」と訊くと若いフロント女は「水を飲むべきだ」と言った。ここで俺は大きな声をあげた。「ばかやろう。ビール売ってる店を教えればいいんだ。よけいな言い方はやめろ。」…すぐに若い男がやってきてホテルの裏の店まで案内された。1本40円の瓶ビール。 「栓抜きあるか」と言うと、男はブロック塀のヘリに瓶を擦りあげ栓を抜いた。
翌日から毎晩、この男が受付近くにいて裏道の酒屋に俺を案内した。漢族は末端の観光関係者まで高圧的である。怒鳴りつけると途端に態度を変えるのも奴らの特色である。